現在、テレビでもネットでも
新型コロナウイルスについて
話を聞かない日はありませんが
話を聞くたびに
私は、10年前のことを
思い出します。
あれは、2009年の8月
新型インフルエンザが
流行り始めの頃。
新型インフルエンザも
当初は、罹患していた方が少数で
その感染経路も明確でしたので
隔離することで
封じ込めようとしていたのですが
感染経路が不明な罹患者が出てきて
全国各地に
新型インフルエンザ患者が
出てきました。
そして、それほど患者が出ていない時期
多くの人が
新型インフルエンザに対して
脅威を覚えていた時に
当時高校生だった、
我が家の長女が感染したのです。
夏休み中だったこともあり
私は、長女が新型インフルエンザに
罹ったことを学校へ知らせる必要は
ないだろうと、
ダンマリを決め込みました。
ところが、すでに夏休みが終わっていた
中学生の次女が
うちのお姉ちゃん、
新型インフルエンザに罹っちゃった。
って中学校で話してしまったのです。
さあ、それからが大騒ぎです。
次女の担任が電話をかけてきて
次女がまだ発病していないのに
すぐに病院へ行って検査をして、
新型インフルエンザに
感染していないかどうか
確認するように
そして、翌日から学校も休むように、
言われました。
中学校から長女の高校へも
話が伝わってしまい
上へ下への大騒ぎとなりました。
その後の長女への対応について
説明した文書を
長女の担任が自宅へ
持ってきてくださったのですが
インターフォンを鳴らして
〇〇です。
郵便受けにプリントを入れました
とだけ言って
逃げるように帰ってしまいました。
高校でも中学校でも
ばい菌扱いされて
とても悲しくなりました。
その後、
次女の担任が再び電話をかけてきて
発症していないのに
検査をする必要はない。
学校へ来ても良い、
ということになり
少しだけホッとしました。
幸いなことに
同じ屋根の下に住んでいるのに
長女以外、家族は誰も
新型インフルエンザに
かかりませんでした。
私なんて、
長女がタミフルを飲むことで
異常行動を起こすかもしれないので
絶対に目を離してはいけないと
医師から言われ、
長女が完治するまで、
ずっと近くにいて
隣で寝ていたにもかかわらず
新型インフルエンザに
罹りませんでした。
あの当時、新型インフルエンザという
新しい病気に、誰もが脅威を
感じていたと思うので
新型インフルエンザに罹った人や
その家族とは距離を置きたいと
思われても仕方がなかったでしょう。
夏休みが終わり長女が登校すると
どこかの教室に
新型インフルエンザに罹った
生徒の名前が
黒板に書かれていたそうです。
娘以外の名前も
数名書かれていたようです。
その後しばらくは、娘の学校で
新型インフルエンザが
流行ることはありませんでしたが
10月だったか11月の研修旅行の際に
クラスの誰かが、
新型インフルエンザに
罹っているにもかかわらず、
旅行に参加してしまったため
バスという密室の中
あっという間に、広まってしまい
研修旅行から帰ってきた途端
娘のクラスは
学級閉鎖となってしまいました。
すでに新型インフルエンザに
罹っている娘は
やったー！学級閉鎖！
と喜んでいたのですが
高校2年生は、
授業が選択性になっていたので
クラスメートがいなくても
授業を受けるのに支障はなく
お前は、すでに罹ったのだから
学校へ来い
と先生に言われたので
ブーブー文句を言いながら
学校へ行きました。
そして授業を受ける度に
お前のクラス、
学級閉鎖しているのに
何でいるんだ？
と言われるので
私は、もう罹っちゃったんです。
と説明するのが面倒臭いと
言っていました。
朝と帰りのホームルームは、
娘と研修旅行で他のクラスメートに
新型インフルエンザを移した生徒だけで
寂しくやったそうです。
あの当時
たとえ新型であっても
インフルエンザには、タミフルと言う
特効薬がありました。
しかし、新型コロナウイルスには
特効薬がありません。
だから、誰もが新型コロナウイルスに
罹りたくないと思っていることでしょう。
私だって、罹りたくありません。
けれども、きちんと手洗いをするなど
予防を心掛けていても
罹ってしまったら、
それは運命だと思うことにします。
そして、新型インフルエンザに
娘が罹った時に
ばい菌扱いされて悲しかったので
私の身近で罹った人が出ても
それだけは、しないように
したいと思います。
